2016年3月30日水曜日

大人のプリキュアトーク

数ヶ月前から何度か推敲し、練り直してきた言葉が
ようやく納得行く形になったので公開します。

以前アンケートを集計していた頃からずっと考えていたことがあります。

「子供のための番組に、なぜ大人がハマるのか。」

その理由に一つ、自分なりの答えというか
説を見つけたので、以下に語ってみたいと思います。



【はじめに】

このアンケートの中の、

「小5の父親です(子供はもう見てませんが)スマイルの頃から拝見してます。」


というコメントが考えるきっかけでした。




「子供は見なくなったのに、大人は継続して見ている」

ということはつまり、


この親子は同じ番組を見ていても、
「違う楽しみ方をしていた」ということになる、と思ったのです。


※  ※  ※

【共感】

とある落語家さんがこんなことを言っていました。


「落語会は年寄りばかりが集まる。落語は年寄りが楽しむ物だ、
なんてよく言われるがそうじゃない。

落語は人生経験、世の中のいろんな人や出来事に出会い、
そこで得たものが多い人ほど楽しめるんです




※  ※  ※


私は、人の成長とは「気づきの視点が増えること」だと思っています。


社会に出て、いろんな経験をして、いろんな考え方に触れて、
いろんな物に共感できるようになっていく。



逆に言うと分りやすいかもしれません。

単純な考え方しか出来なかったり、他人に思いやりや共感が持てない人は
体が大人であっても「幼稚」と言われますよね。



※  ※  ※


子供の頃はヒーローを見て「カッコイイ」、
怪人を見て「わるいやつだ、やっつけろ!」
という考えしか持てないものです。


しかし大人になって、ふとした切欠でまたヒーロー物語を見たときには
子供の頃には持てなかった視点で新しい発見をすることが出来ます。



それは幼くなったのではなく、「成長した」ことを証明するもの
私は思います。



※  ※  ※


子供の頃にヒーロー・ヒロインにあこがれた人は多いでしょう。


しかしやがて大人になり、社会に触れるごとに無邪気なままではいられないことに
気づく人がほとんどだと思います。


(もちろんそれこそが正常ですし、
そうでなければ社会の一員にはなることは難しいでしょう。)


その過程で

幼い頃持っていた夢をあきらめたり、
かつて持っていた情熱を失いかけていたり、

あるいは
未だ道半ばでも希望を失わずがんばっていたり。


そういう境遇に居る人たちにとって、

無邪気に、一途に、仲間を信じて目標に向かって進もうとしている
プリキュア達はとてもまぶしく見えるのではないでしょうか。



【だからきっと、大人もハマる】

作品に感情移入するには「共感」が必要です。

そして「共感」は人生経験が無ければ得られない物です。


友達を大切にする姿、思いやり、目標に向かって努力する姿。
くじけそうな状況でも支えあい、絶対にあきらめない姿。


それらは人生経験をつんだ大人だからこそ、
その意味、素晴らしさに気づくことが出来るものでしょう。



大人になる過程で忘れてしまった、
希望に向かったばかりの初々しい心、無謀にも挑めてしまう若さゆえの勢い。


その感覚、あるいは尊さを思い出させてくれる、
「自分ももう一度頑張ってみよう」と思いなおさせてくれる物語。


だからこそ、プリキュア達の姿は大人の心さえも熱くさせてしまうのではないでしょうか。





※  ※  ※

以上は「理由と思われるものの推論の一つ」です。

しかし少なくとも、
一度挫折したはずの私が今こうして漫画家をやれているのは、
プリキュアという作品に勇気をもらったお陰です。


※この理屈が当てはまらないこともあるでしょう。
何かしら考えの見落としはあると思います。

そのときはまたコメントで教えてください。

新しい思考、新しい理屈、即ち私の「成長」の糧にさせていただきます。

それが積み重なったら、また新しい語り口を見つけることが出来るかもしれません。

13 件のコメント:

  1. コメント失礼します。「子供のための番組に、なぜ大人がハマるのか」とのことですが、
    私はむしろ、プリキュアは全年齢向けに作られているのだと思います。
    子どものための作品に大人がハマっているのではなく、全年齢向けの作品に大人も子どももハマっているのではないでしょうか。

    私がそう思うのは、プリキュアシリーズに作り手の本気が感じられるからです。
    大人が本気で作ったものは、子どもが見ても面白い。子どもだましのような作品では、子どもが見てもつまらない。
    作り手がそういった理念を持って本気で製作しているからこそ、大人が観ても面白いのだと思っています。

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    1. そこは細かな解釈の違いですね。根っこは同じのはずですが。

      「子供のための番組でも、子供だましな仕事をせず全力で作品を作る」、その丁寧な創作姿勢は
      結果として大人さえ納得させる説得力を持つ。

      と、私は解釈しています。


      多くのプロデューサーや監督が「子供のために」と言って来た言葉に偽りは無いと思います。

      また、「全年齢向けに作られた」という話ならば
      「今年は子供だけでなく大人にも楽しめるように恋愛の要素を入れた」と言ったプロデューサーの例を思い出しますね。
      その人物の出した結果がどのようなものだったか、ということも考慮の対象になると思います。

      削除
    2. なるほど。確かに、解釈が少し異なるものの根っこは同じだったようです。

      要するに、「そもそも話がしっかり作られているのだから大人が観ても面白いのは当然だ」ということが言いたかったので、子どもだましでないということを「全年齢向けに作られた」と表現するのは不適切でした。失礼しました。

      削除
  2. はっちゃけ2016年3月31日 21:35

    初めてコメントさせていただきます。
    ピクシブでは以前からフォローさせていただいており、
    こちらのブログは去年あたりから
    拝見させていただいていました。

    まぶしい!
    私とかまさにそうですね。

    うまくいかなかったりヘコんだり怖がったり、
    そんな共感を感じさせつつ、
    支えてくれる仲間とともに
    いろんなことを乗り越えていく。

    オールスターズでよく出る
    「友達がいるから」という実感を持った言葉を聞く度、
    基本ぼっちの私など羨ましくて眩しくて
    でも「よかったね」と嬉しくて!

    どの作品にも強く
    心に残る言葉やシーンがあります。

    今年もきっと素晴らしい物語を
    見せてくれるという信頼があります。

    作品に対する面白さの基準は、
    だいぶていお先生と近いところがあるようで、
    「魔法つかいプリキュア!」は今のところ
    1話毎のお話的にあまりぱっとしないな、
    と感じています。

    とはいえ、
    第一話でリコが空中でとっさにモフルンに
    手を伸ばしキャッチするシーン、
    あれですでに「眩しさ」を感じて
    好きになってしまっています。
    (オールスターズも見ましたし!)

    また、少し前にこちらのブログで、
    「お子さんたちは喜んでます」
    というコメントを拝見して、
    「そういう良さもあるんだ!」
    と嬉しくなりました。
    いや、実際「魔法つかいプリキュア!」は
    すごく可愛い絵が多いですよね。

    結局作品に対する愛着って、
    そういう眩しさのような「好きになる」
    要素がどれだけあるかだと思います。

    ハピネスチャージプリキュアも
    私個人の評価では全体的にあまり高くないですが、
    見所はたくさんあったし、ネタにしても楽しいし、
    めぐみはやさしいし、ヒメはダメっ子だけど
    がんばるし、やっぱりなんだかんだで好きです。

    というわけで今年も変わらずプリキュアが
    好きでこれからの二人の成長と物語を
    楽しみにしています。

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    1. その穏やかなる姿勢、見習いたいと思います。

      私は理屈馬鹿の暗黒面に落ちかけている気がしています。
      なんとか、そうならないようにと気をつけてはいるのですが。


      プリキュアが持つ「まぶしさ」、それは子供と大人では見え方が違いますよね。

      もちろん、共通しているところもあるはずですが。

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    2. 「まぶしさ」っていい言葉ですね!!

      論理的すぎない言い方で、
      キャラの魅力を引き立てるシーンを指して称える言葉
      ……という印象を受けました。

      「あなたの夢、叶うといいね」は
      まさにキュアフローラの「まぶしい」シーンということですね!!

      削除
    3. >「あなたの夢、叶うといいね」は

      まぶしいですね~~(´∀`*)


      「キラキラ輝く、未来の光!」なんてセリフも正にプリキュアを象徴するような言葉ですよね。

      もっとも、例を挙げたらきりがない事ではありますが。

      削除
  3. 大人になると嫌でも世の中の理不尽な現実を知ってしまいます
    勧善懲悪なアクションを視聴すればどれもそれなりにスッキリ出来るでしょう
    そこでプリキュアならではの部分ですが、日常の輝きですかね
    くすんでしまった日常の光景が彼女たちを通じて再び輝き出すこともあります
    あと、作品の裏に見えるスタッフの皆さんの頑張りも励みになりますね

    私がプリキュアという作品から受け取ったものは
    「日常を大切にする気持ち」と「負けない心」です
    子供たちも将来困難にぶつかった時、思い出してちょっとだけ勇気がわくといいですね

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    1. >「日常を大切にする気持ち」と「負けない心」です

      そこが原点でしたよね。
      それが全てとか、そうあるべきとは言いませんが、

      この先も失くして欲しくない主張だと思います。

      削除
  4. 名無しのSS2016年4月1日 3:37

    私は堅い言い方ですが教育番組として見ている部分があります。
    私は昔、いわゆる深夜アニメを嫌っていた時期がありまして(見てもいないのに、ですが)
    最近は大人のオタク向けアニメばかり。自分が子供の頃に見たような日本昔ばなしとか、
    ああいうアニメはないのかなあ…なんて思っておりました。

    そんなある日、友人の家で友人の娘と一緒に見たスプラッシュスターが衝撃的でした。
    咲が舞の家の両親を羨ましがる話や、妹との喧嘩。などなど…
    当時、一緒に見ていた友人の娘はそこのテーマまで理解してはいなかったと思いますが、
    何かしら心には残っていると思います。
    友人の「面白いし、教育にもいいような気がしてるから見せてるんだ。
    オモチャをせがまれるのが大変だけどね(笑)」という言葉も、聞いてこちらまで幸せになりました。
    フレッシュの、友達が悪いことをしていたら、喧嘩してでもやめさせる、ってのも良かったですね。

    大人ならではの楽しみ方とか、いわゆる萌えとか、わりとどうでもよくて、
    自分の子供もいないくせに、幼年期の躾に繋がる説教臭さを重視しているという
    もっとも気持ちの悪い視聴者が私です(苦笑)
    もしかしたら、自分の幼年期を思い出したいだけなのかも知れません。

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    1. そういう側面もあるでしょうね。
      鷲尾Pも「親が見せたくなるような番組でなければいけない」とどこかで言ってた記憶がありますし。

      それは意識してそうなるところもあるでしょうが、自然とそうなるところもある気がします。

      削除
  5. 私は、変身をします。
    心の中で、ですけどね。

    私は危険を伴うスポーツを趣味としてやっているのですが、
    それをやる時には、前向きで強気で積極的で攻撃的、なおかつリラックスして沈着冷静な、そんなモードに心理的に変身します。
    自分の中のネガティブでダメな部分を変えるのです。

    変身といえばスーパーヒーロータイム。
    で、自然と戦隊やライダーに、同じ”変身をする者”として共感を覚え、
    子供の頃以来となりますが再び視聴するようになりました。

    でも何か違和感がある。
    戦隊やライダーに変身する彼らは自分と違って超イケメンで、変身前からある程度、肉体的精神的に強い人間だったからです。

    ところが、スーパーヒーロータイムの流れで見るようになったプリキュアは、そうではありませんでした。
    プリキュアに変身するのは普通の女の子で、中には、普段ダメダメな子も少なからずいました。

    ”変身をする者”としての自分は、むしろプリキュアに近いのではないか。性別は置いといて、本質的には。

    ダメな子が頑張って戦う。
    ダメだけど、勇気を出して突っ込む。これだ、オレはこっちだわ。

    また、プリキュアとして戦うには妖精の力が不可欠ですが
    自分も安全管理をしてくれる協力者のおかげで、今までやってこれた部分が非常に大きかった。

    パートナー妖精的な存在がある。
    これまた、プリキュアに近い。
     
    大共感。完全にハマりました。


    ハマった結果、プリキュアは戦士だけあって楽曲が前向きでノリノリで、気分を上げてくれる名曲が多いことに気づき
    ノリの良さにどうしても体を動かしたくなってしまい(肉体派なので)
    バカになり切ってエンディングのダンスまでやるようになりました。

    これがなかなかどうして楽しくて、踊ると、つまらない悩みや日々のイライラを吹っ飛ばしてくれます。
    今年のエンディングも素晴らしい曲なので、ミラクル先生の真似を100回ぐらいやって踊れるようになりました。

    体を実際に動かし、心を開放し気持ちを弾けさせると、プリキュアには視聴するだけでは味わえない違った魅力もあると感じます。
    言葉ではうまく表現できませんが、理屈でなく感じるもの
    自分と作品世界やキャラクターをリンクするウキウキワクワクキラキラエネルギーの磁場みたいな・・・

    大人でもプリキュアとダンス仲間。
    プリキュアありがとう、おかげで気分がスッキリした!
    また踊ろうぜ。

    こういうハマり方、楽しみ方もあるのだと。

    百聞は一見に如かず、百見は一行に如かず
    頭の中だけで考えがちな理論派の方にも、ダンスはお勧めです。

    プリキュアに変なハマり方をしたある大人のお話、失礼しました。

    返信削除
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    1. ファンの数だけ、共感の形があるのかもしれませんね。

      しかし形は違えど人生経験が共感を作るという部分は
      同じなんだと改めて思いました。


      面白いお話をありがとうございます。

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