2016年3月5日土曜日

ノルマとエンタテインメント(山本さんちのガン・ガール第13話)

3月5日は山本さんちのガン・ガール第13話が掲載されている
まんがタウン4月号の発売日です。

連載開始以来最もてこずり、仕上がりが遅れ、胃痛と蕁麻疹が出始めた直後に
解決の道を見つけて難を逃れた、まさに「腹を痛めて産んだ子」です。

「いつもどおりの八重たち」ですが、読んでいただけると嬉しいです。



「自分で腹痛めたとか言うなよカッコ悪い」

「ダセェwwwww」

あーそうだよ!!


こんな「つらかったわー」アピールが

許されるのは小学生までだよねー!




だがな!!

それで一人でも作品に関心を持ってくれる可能性があるなら
ワシャいくらでも見苦しくやってやるぞ!



ワシ自身の人間性への評価やプライドなんぞクソくらえだ!


割って砕いて鳥のエサにしてくれる!




゚・*:.:♪*・゜゚閣下、退場。・♯*:.。. :*・゜





今回は中野竹子さんにスポットを当てる一話です。


※  作者の仕事  ※

中野竹子さんは会津では恐らく知らぬ人はいない、
幕末会津一番の女傑です。

強く、賢く、美しい。
女性ながらに会津武士としての生き様を全うした
立派な方です。


会津では
八重の桜をやる前までは「幕末会津一番の女性=竹子さん」
だったそうです。



そんなお方だからこそ、作者自身がしっかりと人物を理解し、
それを許されるであろう範囲でギャグマンガとしてのアレンジ解釈を入れ、
八重たちとの楽しいコントを成立させる。

というのが、13話を作るうえでの最初の仕事でした。



※  ※  ※

ところがこの竹子さん!

真面目!マジメ!まじめ!!


真面目と賢いとなぎなたが強いと・・・・・
とにかく「立派なエピソード」しか残っていません。


会津佐哲氏からは「完全真面目で隙の無いキャラで」というオーダーがありました。



限られた時間の中で必死に考えましたが、



本作は既に「ご当地萌えキャラ紹介マンガ」ではなく「一般的オリジナルギャグ4コマ」
である以上、そんなガチガチキャラを今の八重たちに放り込んでも
面白く出来ない!


操さんとも非常に似ているけど、性格や扱いがかぶるわけにも行かない!



と判断して、会津佐哲氏に譲歩をお願いし、この形になりました。



゚・*:.:♪*・゜゚ノルマとエンタテインメント・♯*:.。. :*・゜

▲遂にチャンスを見つけた、「やんだおら。」


本作を作るうえで編集さんから去年何度も言われたことは

「会津・鉄砲・時代劇押しをせず、キャラクターの面白さを演出することを最優先してください」

ということでした。



一方で、会津佐哲氏との会議ではどうしても
「会津にはこういうものがある」「こういうものを使って一話を作ったら一挙両得」

という「会津情報・史実の人物情報ありき」の話になってしまいます。



それを元に話を組み立てても、面白い脚本になることはほとんどありませんでした。


キャラクターの動きや、時には感情さえも作者の都合で
筋書きにつき合わせてしまうのです。


「絶対そうならないようにしよう」と心がけてさえ、です。



逆にキャラ演出先行で脚本を考えると、
その中に会津文化や侍モノ・鉄砲モノとしての
要素を入れられる隙が結構ある!と気づくのでした。



そういう脚本は侍要素や会津文化が入っていても
すんなり編集さんがOKを出してくれるのです。

「面白いですよ!」という言葉とともに。




゚・*:.:♪*・゜゚・♯*:.。. :*・゜

さて、話はようやく本題に入るわけですが・・


この僅か1年間の勉強と実践の間に学んだことは


・ノルマのためにコレを描かなければいけない

・この先の展開のためにあの描写をしておかなければならない


そういう作者の都合先行で書かれた脚本というのは、どうしてもぎこちなさが出てしまい、
キャラが動かされているように感じてしまう」印象は避けられないということ。

そしてそれが「なんかイマイチ面白くない」という印象になるのだと思います。


逆に、キャラクターを描くことを主体にして、その中にアイディアを接着剤とし、
ノルマの要素を混ぜ込むという発想をした脚本は

ノルマ要素に「取ってつけたような印象」が無くなるものなんだと思いました。








(ななスマブログに裏話を書いておきました。
http://nanairo-smash.blogspot.jp/2016/03/13.html)

※  ※  ※

しかしそれにしても、です。

田中裕太監督はバイオリンを物語に組み込むことに困っていたらしい、と人づてに聞きましたが


そんなことを微塵も感じさせず、バイオリンやお城オルゴール(!)を
ドラマの山場で効果的に登場させた知恵と技術は・・・

改めてすげえな・・・・・


と感心した次第です。



余談ですが、
GO!プリ最終回感想はいまだにPVが伸びています。
ご新規さんも結構いらっしゃるようです。

よほど人の心に刺さった作品なんだろうと思います。

10 件のコメント:

  1. こんばんは。
    どうもこの話題だとパブロフの犬のように反応してしまうのですがw

    たしかフェブリで読んだと思うのですが、最初は作画も大変だし、
    バイオリンの企画流れないかな〜な感じだったそうですね。

    でも、高木さんの仕掛けに鳥肌→これは使わねば!で、
    あの素晴らしい22話への流れになった、という話だったと記憶しています。

    もしあの仕掛けがなかったらどんな話になっていたんだろう、
    バイオリンをどう組み込んでいったんだろう…と考えると、
    楽しいやら恐ろしいやら…。
    でも、今よりさらにすっばらしい展開になった可能性も、ゼロでは無い。
    もっと拳と拳で語り合う、血沸き肉躍るプリキュアとか……プリンセスじゃないなそれ…。
    と、想像するだけで脳が沸騰する気分です。

    「腹を痛めて産んだ」は、産んだ事のある人にしか言えない言葉。
    どんどん言っていいんじゃないかと思います。


    返信削除
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    1. フェブリ・・・あ!買ったのに途中までしか読んでない!!迂闊ッ!!((((;゚Д゚)))

      高木さんのアイディアが無ければ物語り進行自体、演出は当然変わっていたのですよね。
      一人で作るものではないからこその素晴らしさですよね。


      それでも、多くの人から知恵を引き出すのはやはり監督のイメージと情熱だと思います。

      それが無くては恐らく高木さんからそんなアイディアが出ることも無かったのではないかと思いますね。


      >「腹を痛めて産んだ」は、産んだ事のある人にしか言えない言葉。

      ありがとうございます。
      でも、今回限りにしとこうと思います。(´ω`*)

      削除
  2. 読後の第一声は『今までで一番面白かった!』でした。

    各キャラクターがそれぞれの個性を出して生き生きと動き
    今まで積み重ねてきたネタが生かされることで、更に『そのキャラらしさ』が加わり
    何より、ていお先生の作品らしさを存分に堪能でき、満足でした。

    その回の主役にならないと『合いの手役』になりがちだった時尾ちゃんにも
    キャラクター性を生かしたお話があった事も良かったです。
    テツは・・(ん?何かが刺さってたような?)・・試されなくて良かったですね(笑)

    完成までには相当な御苦労があったようですが
    そのような苦労を感じさせるような苦しさは全く感じられず
    むしろ、山を越えた後はノリノリで描いていたのではないか?
    と感じるほど、作品全体に勢いを感じました。

    画の方も、以前感じた『顔ばかりが映っている』という印象は無く
    皆元気良く動いているドタバタ感が十分感じられ、つい、ニヤニヤしてしまいました。

    『竹子さんの日常』について、ゲーオタとしては最後のコマも
    竹子さんには『某剣士格闘ゲー』の超必殺技を彷彿とさせるような技で
    落ち武者の霊を退治して欲しかったです(無茶

    今回の作品を見て「あ、何だか変わった。4コマ漫画家として階段を1つ昇ったみたい。」
    と、(素人が偉そうに知った口を利いて恐縮ですが)感じましたので次回もとても楽しみです。
    (・・・と、ハードルを上げてみる)

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    1. >第一声は『今までで一番面白かった!』でした。

      。・゚・(ノ∀;)

      とっくになおった胃痛がさらに癒されていくようです。
      それはよかった・・・

      キャラクターそれぞれに対する試験は、もちろんキャラクターらしさが発揮できそうなものを
      選んでぶつけました。竹子が全部なぎなたを使っていたことで対比ができたかなと思います。

      竹子=なぎなた名人ということもキャラ紹介のノルマでしたし。

      ※  ※  ※

      おっしゃるとおり、一点を除いてはかなりスムーズに脚本は進行しました。
      ネームのときは確かにノリノリでしたが・・作画のときはぶっちゃけ「早く書き上げなきゃ」でした。


      やはり、作り手の感情は仕事を通じて伝わるのですね・・

      詳しくは↓に書いてみました。
      http://nanairo-smash.blogspot.jp/2016/03/13.html

      >某剣士格闘ゲー

      はい。世代でしたので。
      時間ないっつうのに画像探してるうちに必殺技集の動画を見つけて楽しんだりしてしまいました。

      ヒットマークもまねしてみたのですが、ちっちゃくて画面がただ汚くなっただけなので消しました。

      >超必殺技を彷彿とさせるような技で

      あの細かいスペースでそうとわかるポーズが見つけられれば・・やったんですけどね。
      時間無かったですし(´・ω・`)そこまでは遊んでられなかったですね・・


      >何だか変わった。

      私もなんとなくそんな実感があります。
      それが本物かどうかはもうしばらく結果を見ないと分りませんが・・

      この調子で仕事が出来たら悪いようにはならないだろうと思っています。

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  3. 少し遅れて読みました、とても面白かったです!!!
    ぺちさんも絶賛されているようですが、私も今回は神回だったなと思いました!!

    竹子さんのド真面目さとド優秀さは、
    操ちゃんに似てるどころか真面目ステータスだけに全振りしてる感じで、
    全然違う味があって最高でした!!

    今まで姫様のうしろにいた竹子さんが、ここにきて一気に
    『ガンガール』でベスト3に入るほどの濃いキャラになったんじゃないか、と思っています。
    それぐらいのインパクトでした。

    今回の私のお気に入りは、
    各々の個性が見られる審査パートと、
    竹子さんが「ウソを言わなかった」時の姫様です。

    やっぱり姫様はかわいいです……
    基本偉そうなんですが、全然腹が立たないのは、
    あの素直さとピュアさがあるからでしょうね。
    本当、いったい何歳なんだか……
    ウィキペディアで調べるのは反則ですよね…?

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    返信
    1. そうですか(;ω;)ありがとうございます。

      竹子さんの設定を特徴的、魅力的に、分りやすく伝えるにはどうすべきか・・
      八重たちが濃いので、竹子回で印象で負けたら自分の演出力不足の証明になってしまうと思っていました。

      悩んだ甲斐がありました。

      >ウィキペディアで調べるのは反則ですよね…?

      いえ、本作は会津の土地と人物に関心を持ってもらうのが目標の一つですので
      それは作者としては歓迎するところです。

      まあ、竹子さんに回線切断されるくらいは覚悟していただかなくてはいけませんが。

      削除
  4. 夕凪さんちのガン・オタク2016年3月7日 22:01

    よーやく拝読いたしました。
    私の地元では雑誌は1~2日遅れての発売と
    なりますもので。

    ついに発現、やんだおら!
    やっぱりこれが無いとユキちゃんじゃありませんヨ。
    あと既に触れられていますが、竹子さんを
    はじめとした各キャラの描き方も良かったです。
    特に照姫様。
    のほほんとしているようで見るべきものはちゃと見ている。
    一方で「それは言うてはならぬ」と、竹子さんへの
    思いやりも忘れていない。
    いい方ですねぇ。

    さてその竹子さんですが、今回の描き方は確かに
    申し分のないものでした。
    ただ今後、八重さん達とどう関わっていくのでしょう?
    無論それなりのお考えがおありなのでしょうけど、
    私はあまりベタベタしたり、鉄砲に理解を持ちすぎるのは
    どうかなぁ、という気がします。
    後に彼女を見舞う運命を思いますとね・・・

    そんな先の事を考えていたら面白くならない!
    という事であれば、
    強くは言いませんが・・・

    返信削除
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    1. ありがとうございます(´ω`*)

      やんだおらがようやく出ましたね。作者が出させようと思ってネタを作るものではないので
      私も待っていました。1巻のうちに出てくれてよかったです。

      照姫様も、特にそういう演出をしようという意識はなかったですが
      八重たちが動き回るなかで自然と彼女らしさが出た、という感じです。
      それが一番いいですよね。

      >今後、八重さん達とどう関わっていくのでしょう?

      表現する前のものをまさか言葉で言うわけにも行かないので「ひみつ」ですが、
      竹子さんは「道場チーム」ではなくあくまでも「お城チーム」だと思っています。


      また、この世界は10年後だろうが100年後だろうが戦など起きないので
      「未来の史実」が本作に影響することはありません。

      削除
  5. 楽しみにしていた13話、拝見しました
    なんだか表現方法がすごくレベルアップしていませんか?
    とにかくコマの中で動いているように感じるくらい良く動いています
    4コマの小さな枠内でよくここまで動きを描けるものですね
    やはり八重さんたちは動いてこそ楽しく面白いと思いました

    竹子さんをはじめ、各キャラの心も絵で伝わってきます
    癒し系ヒロインの2、3コマ目など真剣な真心がとても感じられました

    話の流れもニコニコしながらリズムよく読めて、
    山本流応援術で吹きました(コーヒー飲んでたら即死でした…)
    ネタの内容から配置まで、体調を崩されるほど頑張っただけのことはあると思いました
    単行本前にまたひと頑張りあるでしょうから、体調に気を付けて頑張ってください

    返信削除
    返信
    1. ありがとうございます。
      動きを意識しては居なかったですが、コマが小さい分
      分りやすい絵を心がけているので、それがそういう印象になったのなら
      いい傾向かな、と思います。

      キャラクターイメージはできていても、それを「言葉で説明する事」は不可能なので、
      これまたそれが分る仕草はなんだろう、と考えながら書きました。

      >山本流応援術

      これぞまさしく胃痛の果ての産物。(;ω;)
      ウケが取れてよかったです。

      これの発展系を用意したので、次回もよろしくお願いいたします。(´ω`*)

      削除

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