2017年2月12日日曜日

パティシエから見たキャラクター設計

今日登場するキャラクターは計量を正確にやりたがる几帳面な子。
ということでこんな小話をひとつ。

これはきのう私が適当に作った自製タルタルソース。


これが保存袋に詰めた後のボウル。
パティシエ見習い時代、こんな状態で洗い場に
持っていこうものなら先輩に怒られました。

「そんなに怒らなくても」ってくらい怒られました。

そして

「最低これくらい出来る様に」させられます。
私は大分腕が落ちましたね・・これじゃまだ先輩は納得しないです。

私の教育係の先輩は怖い人でしたが、
この人がゴムベラでボウルを引っかくと、
私が「これ以上は取れないよ」と思っていた状態から
僅か5手で「洗う必要が無いじゃないか!」というくらい
きれいな状態に変えてしまいます。

はじめて見た時は「手品か!」と思いました。

そして手には想像以上にかき集められたクリームが。

「これを逃してしまうということはそれだけ計量が狂うということだからね」

と言われて、「この人の言うことに従うしかない」
と感服したのを今でも覚えています。


・ボウルが汚いということは計量が狂うということ。
・材料を無駄にするということ
・洗剤と水と手間を無駄にかけるということ
なにより
・技術が身についていないということ。

「こんな基礎技術すら身につけられないようでは、この先なにも身につかない」
そんな、技術に対する心構えの初歩として、こういう地味なところから徹底して
教育してくれたんだと思います。

※  ※  ※

パティシエはとにかく
■こまめな消毒と
■無駄の排除と
■手際の効率化

これに徹底的にこだわります。
雑な性格の私さえ一ヶ月で几帳面に矯正させられるほど、それはもう厳しく。

作業に取り掛かる前、作業台のどこにどの道具をどの向きで置くかまで決まっています。

それは指示されたからそうなるのではなく、効率を極限まで求めると
自然とそういう形になる、ということなんです。
(だから、職人は人が作業にかかる前の準備の段階で
その人の技量の大体の察しが付きます。「第1話」を見るようなもんです。)

僅か数グラム、僅か数秒でも積み重なれば大きなロスになります。
それを妥協することは自分の仕事を妥協するということ。
仕事がアイデンティティの「職人」にとってそれは自分を軽んじるということ!
自分の技術に自信と誇りを持てなくちゃ、仕事なんか面白くないでしょう。

・・・ということまで言葉で言われた事はありませんでしたが、
私は先輩の背中にそういったものを感じていました。
だから、怖いと思いながらも心底尊敬していたものです。


※  ※  ※
話がそれてしまいましたが、ともかくそういうことで
少なくとも私が知る洋菓子職人の世界はとても「緻密で神経質」なのです。

※  ※  ※

そんなパティシエあるあるを今日のプリキュアで・・・・
・・・期待するわけではありませんが(面白くないし)、

しかしそういう事情があるので、
洋菓子を扱うアニメで「計量にこだわる」「科学・理屈にこだわる」
キャラクターを用意してくれたことは元・職人見習いにとっては
嬉しい事・注目に値する事なのです。

だって、洋菓子作りについて知識があるか、
関係者からヒアリングでもしなければ
そういうキャラ設計にはならない筈なんですから。
▲ほらはかり持ってるでしょ。
それだけで期待しちゃうわけです。



はてさて、どんなキャラクター演出をしてくれるのか?
今日は作家目線だけでなく元パティシエとしても注目したいと思います。



※ しんみりタイム ※

なつかしいなぁ・・洋菓子職人見習い時代。

十数年も昔の記憶なのに、とても鮮明に覚えてます。
工場の景色も音も、匂いも気温も、
先輩の声も脳内で綺麗に再現できます。

お店の名前を言いたいですが、
迷惑になっちゃうかもしれないので控えます。

かなりいい材料と技術を使っているので
生菓子も焼き菓子も本当に美味しい
お店なんですけどね。

しかしいつか何かの形で恩返しに
伺えたらいいなぁ・・と思っています。


HP見に行ったら私が勤務してたときと
変わらないデコレーションの写真があって
軽く過去にトリップしました。(^q^)




※  ※  ※

今年はこういう独り言が増えるかもしれませんね。

「計量」というキーワードだけで
これだけの話が出てくるのですから。

6 件のコメント:

  1. 元菓子職人のていおさんに教えてもらいたいのですが、
    2話のデカいプリンは本当に作れるのでしょうか。自重で潰れてしまわないか心配です。

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    1. 卵の凝固作用を利用した今回のプリンの場合、あのサイズでは中まで火を通すのがかなり難しいです。
      温泉卵のように弱火でじっくりじっくり加熱するなら可能・・なのかもしれませんが、かなりの試行錯誤が必要かと思います。

      ゼラチンを使うタイプならバケツサイズでも作れます。
      ただし、自重に耐えるためにゼラチンは多めにする必要があるでしょうし、
      それは味を落とすことになるでしょう。

      ゼラチンの正体は牛のコラーゲンですから、
      乱暴な言い方をしてしまえば卵味の煮こごり食ってる様なもんです。
      たぶん、あのサイズを5分の一も食べれば気持ち悪くなるかと(´ω`*)

      みんなで楽しく作ってみんなで突っつくならもちろんアリですが、それでも
      「やはり適量がいいよね」という結論になることは断言します。(゚ω゚)

      一人で作って食べようなんて考える人が居たら目も当てられません。
      無理して食ったら吐瀉⇒後悔⇒トラウマコース確定です。

      削除
    2. なるほど、やっぱり難しいのですね。
      ただ、ひまりちゃんならもしかして…?と思えるような描写(大量に書き溜めたスイーツノート)を入れたり、容器の形を平たくして潰れにくくしたり、少しでも説得力を持たせようとしているのが本作のスゴイ所だと思います。
      子供向けなので夢のある描写を優先しつつ、そういった所にも配慮する。子供目線でも大人視点でも楽しいナイスな描写ですよね。

      削除
    3. そうです。説得力さえあればリアリティとしては十分なんです。
      ひまりちゃんならゼラチンを使うという選択肢も当然出せたでしょう。

      食べ切れなかった分はペコリンが美味しくいただきました
      と考えればいいのですし。

      削除
    4.  ご返答ありがとうございました。やはり現実的には厳しいですか。
      作中のプリンはきっと、キラルキルで問題は吹き飛んでるんでしょうね。

       プリキュアが子供向けアニメだということを考えると、
      今後はさらにトンデモスイーツが出てくるかも?

      削除
  2. 誰が美味いことyey!と2017年2月13日 11:21

    どうやら店も構えるようですから
    「楽しく、お菓子く、面白く」という甘いだけで済む話にはしないでしょうね。
    田中仁さん構成ですから、結構シビアなところも書き込むかと。
    衛生関係は必須として、どこまで踏み込むかはスイーツだけに匙加減が難しいですが・・・

    ていお氏の元先輩ポジが居たとして、それに近いのは「ゆかりさん」ですかね?
    そしてそれを和らげる「あきら」
    もしそうなら、新たなチーム構成として年少3人に年長2人のバランスは良さそうですね。

    返信削除

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